| (3)材の組織,性質と利用
|
材は環孔材で,辺材・心材の区別は明瞭,辺村は黄白色,心材は暗褐色である.生長輪は明瞭で肌目はやや粗い.フラボン反応を示さない.材の顕微鏡的構成要素は道管,真正木繊維,軸方向柔組織と放射組織とである.孔圏の道管はふつう 3~5層,ときに1~2層,単独または2~3個が放射方向・斜方向に接続し12~18/mm2,孔圏外への推移はほぼ急,ときに綾である.
単独道管は卵形,楕円形などで径は0 2~0 35mmある.孔圏外では単独のものと2~10個が各方向に団塊状に接続するものとがほぼ均等に散在し,団塊単位で20~30/mm2ある.1個の管孔の径は0. 015~0.15 mm.せん孔板は孔圏で水平に近く孔圏外のものは傾斜し,単せん孔.接続道管の間の有縁壁孔は多数が交互配列し,径は約0.008mmである.チロースは稀で著しくない.真正木繊維の並び方はやや不規則で,長さ0 7~15mm,径0.015~0
.025 mm,壁厚0. 002~0. 005 mm.隔壁木繊維が存在するが多くない.軸方向柔組織では周囲柔組織が孔圏でよく発達し道管の間を埋めてほとんど基礎組織をなしている.孔圏外では接続道管群を囲んでやや翼状となり,管孔上下で1~3細胞層,横に5細胞幅まで伸びる.散在する柔細8包は存在するが少ない.ターミナル案組織は1~5細胞層である.
放射組織は1~6細胞幅で単列のものが少なく,3~40細胞高.ほとんど平伏細胞からなる同性,ただし上下両端1層はやや方形細胞になる傾向を示す.
材の気乾比重は067~092の範囲の記載があり,0 79のもので縦圧縮強さ505kg/cm2,曲げ強さ1,073 kg/cm2,曲げヤング係数115×104・kg/cm2を示す.概してやや重硬,強籾である.材の用途は建築内装材,家具,器具(道貝の柄など),仏壇,楽器(三味線の胴)などがあり,彫刻・旋削も行われまた薪炭材になる.ただし諸書にエンジュの材の用途をいろいろあげてあるが,その多くはイヌエンジュについてのもので,混同しているものと考えられる.
このエンジュの材は市場に出ることはほとんどない
|
|