| (5)材の性質と利用 |
材の物理的・機械的性質は次のようである.気乾
比重0.69(0.47~0.84),含水率1%当りの平均収縮 率は,接線方向0.28(0.17~0.38)%,放射方向0.16(0.09~0.23)%,熱伝導度(合水10%,温度
200C)0.123 kcal/m・h・0C,誘電率(IMC)は全乾時1.7,気乾時4.3,着火点264(257~270)℃,発火点464(450~480)0C,縦圧縮強さ500(350~650)kg/
cm2,縦引張強さ1,30(850~1,700)kg/cm2,曲げ 強さ1,000(700~1,400)kg/cm2,曲げヤング係数
12.0(8.0~15.0)×10」・kg/cm2,せん断強さ130(80~190kg/cm2,衝撃曲げ吸収エネルギー0.9(0.7
~1.2)kg・m/cm2,ブリネル硬さは横断面4.5(3.0 ~6.0)kg/mm2,放射断面1.8(1,3~2.0)kg/mm2,接線断面2.0(1.4~2.5)kg/mm2.
村の化学的組成は,セルロース53%,αセルロース44%,ベントザン15%,ガラクタン0.6%,リ
グニン22%,冷水抽出物4%,アルコール抽出物9 (?)%,ベンゾール抽出物1%,1%NaOH抽出物14%,灰分0.5%を示す.なお心材にフェノール成
分ケヤキニンを含んでいる.
材はやや重くてかたいが切削などの加工はそれほど困難ではない.比重に対応して強度も大きく,また大木で年輪幅の狭いものでは狂い少ない.
心材は水温に対して保存性がきわめて高い.材の肌目は 粗いが,仕上げ面を磨くとよい光沢が出る.木理が明瞭で美しいこと,
強度が大きいこと,耐朽性があ ることの三拍子がそろっているので,わが国の広葉樹材では第一番の良材であり,構造材にも装飾材にもすこぶる用途が広い.
建築材としては柱,梁などの構造材,階段,棚, 床(ゆか)板,門と扉,板戸,障子・ガラス戸の腰板,
洋室壁板,天井,床(とこ)まわりなどの造作材・装飾材の何にでも賞用される.
最近は広い板物にはスライスドベニヤをはった合板で用いられることが多い.昔からとくに社寺建築材にヒノキと並んで最も重要であった.家具材では和家具に箪笥(たんす),座卓,火鉢,仏壇などがあり,また各種の洋家具にも取り入れられている
.器具材にも多方面に使われ, 漆器の盆・椀,臼と杵(きね),
太鼓の胴,いろんな柄類,機械の部材などが割合特色がある.車両材,船舶材でも構造材および内装材に最も重要なものであったし,また橋の欄干(らんかん)や橋板,枕木にも多く使われてきた.とくに近年までは電柱腕木として他に代えることができないとされてきた.
そのほかに彫刻材,薪炭材などの用途もあげられる. |
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