ナラ |
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日本全土の山地に生え、ブナとともに冷温帯を代表する落葉樹。また、ナラは大きく成長し、樹高は30mに達する。樹皮は灰褐色で、縦に不規則な割れ目が入り剥がれ落ちやすい。堅い材なので、加工性はやや悪い。辺材は淡い紅色を帯びた白色、心材はくすんだ淡い褐色で、辺材と心材の境目ははっきりしている。伸び縮みしやすい材なので、乾燥には注意が必要。柾目に虎斑(とらふ)と呼ばれる独特の紋様が入る。北米に産するオークと類似種。木目の模様が美しく、床材、化粧用単板、合板、器具、船舶用材、薪炭などに用いられる。また、家具材などに重用されてきた。 |
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ウォールナット |
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■クルミ科 落葉広葉樹で北アメリカ(合衆国東部〜中部)に生育する。色は紫褐色から淡褐色。 |
木質は適度に重く、硬く、強い。衝撃に強い特性をもつ。木理のパターンは非常に単調なものから非常に複雑なものまで様々である。乾燥はやや遅い、加工はしやすく、表面の仕上がりの色の落付きと光沢のよさ、重厚さと高級感で重要視されている。又、塗料、染料の加工度が非常に良く、着色して使用される場合も多い。
実が食べられるのでも有名。節、虫くい(ピンホール)などになりやすい。用途としては高級家具、内装材、楽器、床材、銃床等に使用される。家具材として最高級の折紙が付けられている名木です。チークとマホガニーと共に世界三大名木とされている。 |
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ローズ |
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■マメ科 広葉樹で東南アジアのなかでも特にインドに多く生育する。 |
代表的なものに南米産のブラジリアン・□ーズウッドとアジア産(特にインド)のインディアン・ローズウッドがあり、日本でローズウッドといえば後者のことを指す。色は紫色、紫赤色、黒紫色の縞目がある。
世界を代表する高級銘木の1つである。唐木類で非常に硬い為、加工は困難。木質は重硬、木理はやや交錯、仕上げは良好で光沢があり、高級感は他を圧する。ヤニつぼ、かな筋、節が出やすいのが欠点。
用途は高級家具、高級内装材、楽器(高級ピアノ等)、指物、細工、彫刻用、仏壇に使われる。 |
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アルダー |
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■カバノキ科の広葉樹。太平洋の北西海岸やヨーロッパに生育。辺心材の差はあまりなく、淡い紅褐色を呈す。 |
広葉樹にしては比較的柔らかい材で、機械加工やつや出し加工に特に適している。組立は釘、ネジ、接着のどれでも適しており、サンダー加工、ステインやペンキの塗装仕上げで綺麗に仕上がる。乾燥しやすく乾燥による損傷はほとんどなく、乾燥後の安定性は高い。伐採時にはほとんど白色だが、空気に触れるとじきに淡紅褐色や淡黄褐色に変わる。広葉樹としては比較的軟らかな樹種で密度は中程度。曲げや衝撃には強いが剛性はやや弱い。用途としては家具材、ドア材、彫刻材、キッチンキャビネット、内装用モールディング、ダーニング家具などに使われる。
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メープル |
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■色はクリーム色、白色から薄い赤茶色をしています。木質は重く、強く、堅固で、衝撃に対する抵抗力が大きい。木理は美しく木肌は密である。 |
メープルの葉をデザインしたものがカナタ国旗であることは有名。メープルの幹から出る樹液からメープルシロップが加工される。
音の良さとしてドラムの木胴としても多く使われる。 ソフトメープルは全て類似しており、ハードメープルより20%以上柔らかいのでねじれ、反り
などが出やすい。カエデの代替として使用される。 用途としては家具、楽器、内装造作材、フロアー材などに使用される。 |
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オーク |
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■ブナ科 落葉広葉樹で北アメリカ,ヨーロッパに多くみられる。 |
色は黄褐色、淡赤褐色が特徴である。ホワイトオークは米国の東半分で豊富に見られる。木質は重く、強く、非常に硬い。木理は比較的通直。乾燥、切削など、加工はやや困難。木肌はやや粗だが広範囲な色調に塗装することが出来る為、ほとんど着色して使われているようだ。急激な乾燥によって細かなひび割れや反りが出やすいため、乾燥には注意を要する。耐水湿性は中程度。斑(虎斑)、黒ブシ、タンニンを多く含む
。用途は重構造建築、家具、内装造作材、フロアー、洋酒樽、指物として使われる。 北米産のホワイトオーク、レッドオーク、欧州産のヨーロビアンオークなどが輸入されている |
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タモ |
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■とねりこ類もくせい科 落葉広葉樹で日本 に多くみられる。 |
色は明るい褐色。人気のある材料でよく使用されている。木は硬いが狂いも少なく加工しやすい。ほとんど中国産である。国内産は比較的木目が粗く艶がある。中国産は全体に色黒くヌカ目である。シオジ(塩地)を含め国内材はほとんど見なくなった。同種の別木(シオジ,タモ,中国タモ,ソ連タモ)へと徐々に移行しているのが実態である。
タレ、生節(いきぶし)、黒節、ソリ、節カゲ、黒い縦ジマがでるのが欠点。用途としては建築材、家具、造作材、建具材、以前はテニスのラケット,野球のバットなどに使われる。 |
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エルム |
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辺心材の境界は明瞭で、辺材は黄白色、心材は灰色を帯びた淡褐色。木目は明瞭で美しい。加工しやすい。乾燥を十分にしないと狂いやすい。
心材は耐朽性がないが、防腐処理には適する。木目がよじれているため、割れにくい。接着剤に適す。サンダー加工、ステイン、つや出し加工で美しく仕上がる。乾燥後の狂いはほとんどない。家具用材、建築用材、合板用材など。
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ブラックチェリー |
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辺心材の区別は明瞭で、辺材は黄白色から乳白色、心材は色が様々で、真紅から紅褐色まで、光にさらされるとさらに濃くなる。対照的に辺材は乳白色。木目は細かく通っており、木肌は滑らか。淡い紅褐色から濃い紅褐色を呈する。使い込むほどに飴色に変色し、高級感が出てくる。木質はやや軽軟で加工は容易。木肌は緻密で表面の仕上がりは美しい。心材は耐久性があるが、辺材は害虫に弱い。乾燥はかなり速いが、収縮率はやや高い。用途としては家具、キッチンキャビネット、モールディング、パネル材、床材、ドア、楽器。機械加工、釘打ち、接着に適し、サンダー加工やステイン、つや出し加工で非常に美しい仕上がりとなる。乾燥はかなり早いが、収縮率はやや高い。人工乾燥後は安定性が良い。曲げ加工は良好、剛性は低い。
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ヤマザクラ |
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■バラ科サクラ属の落葉広葉樹。 散孔材。本州、四国、九州に自生。また、朝鮮半島にも分布する。 |
辺心材の境界は明瞭で、辺材は淡い黄褐色。心材は褐色で、時に暗緑色の縞模様を呈する。年輪はやや不明瞭。木質はやや重硬で強靭。木理ほぼ通直で木肌は緻密。加工性、着色性ともに優れ、磨くと光沢がでる。乾燥はやや困難であるが、狂いは少ない。耐久性は高い。用途としては高級家具材、楽器材、建築材、造作材、彫刻材など。山桜の樹皮を素材にした工芸品を樺細工(かばざいく)と呼ぶ。
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カリン |
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■花梨のこと。別名インドシタン(印度紫檀)と呼ばれることがあり、フイリピン名はナーラ
(Narra) 、ミャンマーではパドウク(Padoauk) 、パプアニューギニアではニューギニアローズウッド (N.G.rose
wood) というマメ科の広葉樹である。タイ、ビルマなどの東南アジアに多く、フィリピンを経てニューギニアに及ぶ。 |
辺心材の区分は明瞭で、辺材は淡い黄白色、心材は黄褐色からやや紫色を帯びた赤褐色を呈す。一般に均一な色調を示すことは少なく、縞模様になることが多い。木理はかなり交錯し、強勒で硬い。木質は重く、肌目はやや荒い。切削・加工は、比較的容易で、表面仕上は良好。ゆっくり乾かさないと乾燥によって狂いやすい。磨くと光沢が出て、美しくい。唐木の一つで家具、器具、楽器など装飾的な目的で使われることが多い。また、建築材としては、床柱、床廻り材などに使用される。
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アッシュ |
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辺材はほとんど白色に近い単色。心材は灰褐色から淡褐色、褐色の条が入った薄黄色まで様々。杢目は一般的に通っており、粗いが均一な木肌。淡色の辺材の色合い産地によって異なる。機械加工がしやすく、釘、ネジ、接着材のいずれにしても適しており、ステインやつや出し加工で非常に美しい仕上がりをみせる。乾燥しやすく、安定性も高い。重量と比較して、全般的に強度に極めて優れる。衝撃強度に優れスチーム曲げにも適している。心材は耐朽性がない。辺材は虫害を受けやすいが、防腐処理については、心材はあまり効果が無く、辺材は適している。家具、床材、ドア、その他高級家具・造作材料、キッチンキャビネット、スポーツ用品などに使われる。
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