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クワ科の広葉樹。日本・中国・韓国などに生育しています。木肌は緻密で加工は容易です。辺材は黄白色、心材は黄褐色で、床柱や和家具・楽器や茶道具の材料として利用されています。
トップページ > お仏壇について > 桑(くわ)
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クワの名称と養蚕
わが国に自生するヤマグワは落葉高木で、分類学者の間では後記のシマグワと全く同一種と見てその学名を用いる見解も少なくない。ここではこれまでに多い慣用に従って別種として扱っておく。養蚕に栽培されているクワ(桑)には、このヤマグワから出た品種のほかに支那原産のマグワ(カラヤマグワ)・ロソウ(魯桑)に基づく品種およびこれらの間の雑種由来の多くの品種がある。養蚕は中国において約3000年前から行われ、日本には奈良朝以前に入ってきている。現在のクワ栽培品種の分布は、ヤマグワ型が北方の東北・北陸に多く、ロソウ型が南方の中国・四国・九州に多く、マグワ型はほぼ全国一円にわたっている。採苗は実生・接木・取木挿木により畑での仕立て方は低い根刈り法が大部分で,また中刈りや高刈り,立通しなどが行われている処もある。クワの名は古くから知られ、その語源は食葉(クワ)あるいは蚕葉(コハ)という。『万葉集』に「足乳根(たらちね)の母のその業(なり)の桑すらに願へは衣に著るというものを」などがある。また「この夕柘(つみ)のさ枝の流れ来ば梁(やな)は打たずて取らずかもあらむ」などにツミとあるのもクワの古名だという説が有力である。ツミは葉を摘むことから出ているといわれ、漢字の柘は,元来は支那産のハリグワのことである。後の歌は吉野川に梁を打って鮎をとり生活していた男が梁にかかった枝を持ち帰ったらそれが美女に化して、ついに夫婦になったという話に由来している。

ヤマグワの概要
ふつうに山野に自生するものは高さ10m・直径60cmくらいまでの小高木であるが、稀には直径l m以上の大木となる。樹皮は灰褐色で不規則に浅い裂け目をあらわすが、老木では裂け目は深くなる。葉は互生し薄質で、卵円形から卵状楕円形、長さ8〜20cm、先端は急に鋭尖し基の方は浅い心臓形から円形になる。縁には鈍い不規則な鋸歯がある。髪形の変化が多く、ことに勢いのよい葉ではいろんな形に浅裂、あるいは深裂する。成葉では上面がざらつく程度であり、下面に少し毛が残る。基部から3本の葉脈が出て中央のものはさらに側脈を出す。 ふつう雌雄異株であるがまれに同株のことがある。
4〜5月に新しい枝の基の方に下垂した穂状花序を出し、黄緑色をしている。果実は一つ一つはごく小さいが肥厚して多汁になった花被に包まれ、楕円形の集合累の形で6〜7月に紅色から黒紫色に熱する。これがクワノミ、桑櫨(そうじん)で、その花被は甘く、子供が好んで食べ口のあたりを紅紫色に染める。ヤマグワは南樺太・南千島・北海道・本州・四国・九州・朝鮮・満州・支郡の温帯から暖帯の山野にごくふつうに自生している。しかし大きい樹はなくなり、蓄積もきわめて少なくなっている。

材の組織
辺材と心材の区別は明瞭で、辺材は帯黄灰白色。心材は暗黄褐色で黄色味がかっていることが著しい。年輪は明瞭でときに如輪杢(じょりんもく・にょ りんもく)・玉杢・牡丹李などの美しい杢が出ることがある。肌目は粗い。顕微鏡的な材の構成要素とその占有割合は、道管28.6%、真正木繊維55.2%、 軸方向柔組織4.4%、放射組織11.8%である。環孔材で孔圏には1〜3層の径0.04〜0.2mmの大きい道管があり,孔圏外では径0.02〜0.08mmの小道管が数個接続して斜め方向の模様をなしていることが多い。分布数は孔圏で12〜18/mu、孔圏外で接続したものは1個とかぞえて23〜40/muである。縦に連なる道管要素の間は単せん孔で、せん孔板はふつう僅かに傾斜する。孔圏道管にはチロースが発達する。孔圏外道管の小径のものの内壁にらせん肥厚がある。材の基礎組織は真正木繊維でその長さは1.1(0.6 〜1.7)mm、径は0.01〜0.02mm、壁厚は0.002〜0.0025mm、軸方向柔組織には周囲案組織と夏材部年輪界付近に僅かに散在する柔細胞とがある。柔細胞の径は0.008〜0.03mm、壁厚は0.001〜0.0015mmである。放射組織は1〜7細胞幅の狭いもので多くは3〜5細胞幅、軸方向に1〜60細胞高でときに2個が上下に接続した形のものが現れる。構成は平伏細胞と上下両縁および周辺に現れる直立細胞または方形細胞とからなる異性である。後者の細胞内にときに結晶を含んでいる。

材の性質と利用
材の物理的・機械的性質は次のようである。気乾比重0.62(0.50〜0.75)、含水率1%当りの収縮率は接線方向0.32(0.23〜0.43)%、放射方向0.16(0.11〜0.23)%、熱伝導度(含水率101%,温度20度C)0.13 kcal/m・h・0C、温度伝導度(合水率10%,温度60度C)4.9×10-4・m2/h、 誘電率(IMC)は全乾時2.0、気乾時4.6、着火点265(260~270)℃、発火点380(370〜390)℃、縦圧縮強さ370(300〜420)kg/cm2、縦引張強き1,050(850〜1,200)kg/cm2、曲げ強さ800(650 ~950)kg/cm2、曲げヤング係数7.0(5.5〜8.5)×104・kg/cm2、せん断強さ140(120〜170)kg/cm2、衝撃曲げ吸収エネルギー1.6(1.2〜1.9)kg・m/cm2、ブリネル硬さは横断面4.4(3.3〜5.2)kg/mm2、放射断面1.6(1.3〜2.0)kg/mm2、接線断面2.2(1.8〜2.6)kg/mm2である。材の化学的組成は代表的栽培品種の枝条材の値で、セルロース47〜61%、αセルロース33〜43%,ペントザン15〜21%,ガラクタン痕跡〜2%(1〜2%のものが多い)、リグニン15〜28%、温水抽出物5〜19%、アルコール・ベンゾール抽出物2〜7%、1%NaOH抽出物23〜35%,灰分1〜3%である。これらのうち抽出成分および灰分は技条材のためやや多いと思われる。材はやや重硬で切削その他の加工はやや困難であるが、磨いた仕上げ面は光沢がある.材質は強籾で心材の保存性は高い。

材の色合いと木理は重厚な感じがあり、材質が良好なため装飾材として賞用され、ことによい杢が出るものは銘木として扱われる。器具材では火鉢・煙草・盆・文具類、旋削したものでは盆・椀・碁石入れなどがあり、家具材では箪笥(たんす)、机、台、棚、箱類などがあるがとくに鏡台・針箱の貼(は)り板としてよい。建築装飾材では床柱、床(とこ)まわりの材が多く、その他機械材・三味線の胴などの楽器材、彫刻材,寄木(よせぎ)・木象がん(もくぞうがん)などに使われる。樹皮は強籾なので和紙に混用され、またロープなどを作ることがあり、黄色の染料にもなる。根皮は漢方薬の桑白皮(そうはくひ)で、利尿・緩下・せき止めなどに用いる。
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