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川辺地方は昔から仏教と縁が深く、平安時代末期からこの地域を統治していた川辺氏が平家の残党と供に、供養や仏教を川辺地方を中心に広めました。彼らによって作られたと言われる、数々の塔や墓形、梵字(ぼんじ)を刻んだものが川部町清水の渓谷に残されています。1200年には川辺氏の菩堤寺が建てられ、仏教はますます盛んになり、このようなことから、素朴ながらも川辺仏壇の技術・技法が確立されたものと思われます。

 
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 川辺仏壇の歴史

平安時代末期から河邊氏がこの地を統治し、以後200年余り、薩南の豪族として権勢をふるった。その間菩提寺宝光院などの寺院を建立した。現在、清水の磨崖仏近くにある仏塔などは、河邊氏時代の仏教文化栄し頃の遺物で、清水花園の宇都集落がその跡である。このお寺は河辺氏が1200年に菩提寺として建立したと伝えられている。江戸時代に一度火災にあい、明治の廃仏毀釈で破壊されている。12世紀頃から仏壇がつくられていたといわれ、島津藩の一向宗禁圧に抗し、「隠し仏壇」として19世紀中頃にはその技法が確立された。スギ、マツなどを木地とし、天然本黒漆塗りの純金箔押しでやや小型の仏壇が特色である。


 川辺仏壇の特徴

川辺仏壇
箇所 基準内容
1.木地 「木地」の構造は「ほぞ組み」及び「ぞうきん摺り」による組み立て式であること。
2.宮殿 宮殿造りは「本組み技法」によること。
3.塗装 精製漆を手塗りすること。

 


 川辺仏壇の伝統的工芸品製造基準

箇所
原材料の指定
1.木地 木地はスギ、ヒバ、ホオ若しくはマツ又はこれらと同等の材質を有する用材とすること。
2.金具 金具は銅若しくは銅合金またはこれらと同等の材質を有する金属製とすること。
3.漆 漆は天然漆とすること。

 川辺仏壇の製造工程

1.木地
素材はスギ、ヒバ、ホオ等を使用し、本体は分解・組み立てが容易で、欄板から下部は雑巾摺り板で結合できるよう配慮されています。
2.彫刻
素材は松、桧、ホオ等を使用し図柄を選定してノミ・小刀で彫刻します。台木の取り付けには接着剤を用いて竹串等で接合します。
3.宮殿
素材は杉、ヒバ、ホオ等の厳選された木材を使用し、木材は乾燥、防腐を施します。本組構造で柱と屋根を正確に保持できるのは川辺独特の技法です。
4.金具
素材は銅板または銅合金を使用し、図柄を鏨を手加工します。表面は着色し、金具取り付用釘も同様の処理を施したものを使用します。
5.蒔絵
漆塗装した上に精製漆で下絵を描き、その上に純金粉天然青貝を用いて、全て手描き仕上げます。蒔絵には平絵巻と高蒔絵があります。
6.塗装
下地にはニカワ下地を使用し、木地のやせを防止する胡粉をねり合わせ、箟付けを重ねます。
中塗りを施し、天然漆を手塗りで仕上げます。
7.金箔押
漆塗装の一定期間乾燥した部品に漆を摺り込み、純金箔を箔押しします。ツヤ出し押しとツヤ消し押しがあります。複雑な部分も丹念に仕上げます。

 川辺仏壇事業協同組合の概要と沿革

組合概要

企業数 170
従事者数 768人
協同組合住所
鹿児島県川辺郡川辺町平山6140−4
電話番号0993−56−0240
FAX0993−56−5963
URL http://www.kawanabe-butudan.or.jp/


 
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